【四大元素と植物観察 ツユクサ】
露草 ツユクサ科 ツユクサ属 一年草(花期 6〜9月)
学名:Commelina communis
英語名:dayflower
別名:鴨跖草(おうせきそう)、帽子花(ボウシバナ)、藍花、蛍草、月草など別名が多い。
朝咲いて、昼にはしぼむ。
花弁から取れる青い液は、水にさらすと消えることから、染め物の下絵を描く絵の具として使用された。
京都の友禅や絞り染めに使用される下絵用の青花紙は、ツユクサの一種、アオバナから作られる。
野草として食べることもできる。
薬用としては生薬、鴨跖草(おうせきそう)と呼ばれ、乾燥させた葉は解熱や下痢止めに使用される。
散歩をしていると脇道から光さすように眩しい小さな青い花が目に入る。
その名の通り朝露がよく似合う明るい花。
・透き通るような青い花弁2枚
・白い花弁1枚
・おしべ6本(X型3本、Y型1本、手前に長い2本だけに花粉がある)
・めしべ1本 薄紫色 花を閉じるときに蝶の口のように巻く
2枚の苞葉の間から、鮮やかな青い花を咲かせる。
花を閉じるときは見事に花弁を折りたたんで苞葉の中に隠れる。
一つの苞葉から2つないし3つ花が咲く。同時に2つ咲くこともある。
観察をしていると、次から次にアリが苞葉の中から出てきた。
何かおいしいものでもあるのだろうか、調べてみると、ツユクサの種にはアリが好むエライオソーム(脂肪酸・アミノ酸・糖)が含まれているらしい。
スケッチの間にクルクルと葉を丸めて萎れてしまったツユクサ、水の入った瓶に移すと、数時間後には水を吸い上げ、元の艶やかな葉に戻っていた。すごい生命力。
思ったことを徒然に…
おしべが両手を広げて迎え入れるかのような仕草は、どういうわけかカマキリを連想させる。苞葉部分は食虫植物のハエトリ草にも見える。散歩していてつい目に止まる眩しさからも怪しく誘っている感じを受ける。艶やかでみずみずしい茎や葉、あちこちに伸びる枝の節は、葉の基部が重なり合って補強している。
ツユクサを見ると夏休み、ラジオ体操の時間を思い出す。
眠い目を擦りながら歩いていると、眩しく涼しげに「おはよう」と語りかけてくるツユクサ。
今もそれは変わらず、「さぁ、目覚めなさい」「シャキッとしなさい」2本の長いおしべが、さぁ、さぁ、と背中を押してくる。くすくすと笑っているように見えるから不思議。
そうしてみんなを元気づけた後、お昼になる頃にはそっと花をたたんでいるのだから。
「あなたの人生を目覚めさせなさい」今受け取ったメッセージ。
もっと観察を深めて、ツユクサの本質を観ることができたら、思いがけないメッセージが降りてくるのかもしれない。そこが植物観察の醍醐味。ツユクサとコミュニケーション不足の私は、まだまだ、その境地に至っていない未熟者。朝目覚める度ツユクサに、あなた青いわね、と笑われている… と感じる 笑